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コロナと闘うニューヨーク。「日本も本当に気をつけてほしい」身近な人を亡くしたニューヨーカーの訴え。

画像出典:Undark

アメリカ、ニューヨーク州の新型コロナウイルス感染による死者数は世界最多。日々増え続ける死者数に、いつ自分や周りの人が感染するかわからないという恐怖と闘う毎日が続きます。

今回は、ビデオ会議ツールのZoomを用いてニューヨーカーにインタビューをした内容をレポートします。身近な人を新型コロナウイルスで亡くすことの辛さと日本人へのメッセージを語ってくれました。動画で観たい人はこちらから。(インタビュー日は2020年4月16日)

観光名所のウォール街もゴーストタウン化

ーーどこに住んでいますか?

マンハッタンの最南端に位置する、フィナンシャル・ディストリクトに住んでいます。

この地区はウォール街もあるので、普段であれば、金融系で働くサラリーマンだけでなく多くの観光客で賑わうエリアです。僕自身も金融系で働いています。

 

ーービフォーコロナと比べて街並みはどう変わりましたか?

今はほとんどのオフィスも閉まっているし、観光客もいないので街は驚くほど静かです。特に夜8時をすぎると、スーパーなども閉まるので街はゴーストタウンのようになります。

ニューヨークでの自宅待機の過ごし方

ーー買い物はできてきますか?

わたしの場合はロックダウンの前に必要なものの調達を済ませていました。というのも、私の会社はロックダウン(3月20日頃)が始まる前の3月5日から自宅ワークに移行していたからです。それ以降は全て必要なものはオンラインで買っています。

 

ーー品薄は起きていますか?

トイレットペーパーがまだ手に入りにくいです。普段はAmazonの定額購入でトイレットペーパーを注文しているのですが、今月分はまだ届いていません。周りの友人も同じような状況だと聞きました。

しかし、当初予想していたより酷くはなっていません。

値段が高騰している商品もありますが、食料などの生活必需品は手に入っています。

 

ーー自宅待機中にどんなサービスを使っていますか?

Zoomはよく使いますね。

あとは、やはりデリバリーサービスの利用頻度が高まりました。

なるべく自炊をするようにしていますが、夜勤の時もあるので、Uber Eats(ウーバーイーツ)やSeamless(シームレス)を使って食事をデリバリーしています。

全体の支出でいうと、食事にお金を使う比率が高まりました。しかし、他の雑支出(飲みに行ったり、カラオケに行ったり、服を買ったり)が大幅に減ったために、全体の支出でいうとコロナ以前に比べて低く収まっています。

 

ーー自宅隔離でストレスは感じていますか?

今はだいぶマシになりました。

ロックダウンが始まった直後の数週間は、人とも会えず、孤独を感じ精神的に辛い時期がありましたね。

近親者にも許されぬ最期の対面。

 

ーー最近は様々な陰謀論も出回っていますが?

色々な説が出てますね。でも僕はそういうのは気にしていません。

 

実は、僕の身近な人が実際に新型コロナウイルスに感染して亡くなってしまったのです。

 

亡くなった方は、62歳で3月28日に亡くなったばかりです。

珍しいケースでした。

新型コロナウイルスで重症化する方は、喘息や高血圧などの持病を持たれていることが多いのですが、彼は持病がなく健康体でした。

彼が亡くなった時、45-64歳の年代で、持病がなくコロナで亡くなった人は9人と報道されましたが、そのうちの一人が彼でした。

それ以降、日々ニュースで発表される感染者数や死亡者数の数字に現実味が増しました。

当時毎日報道されていた、500~600人もの死亡者数。亡くなった方だけでなくその家族や周りの方の悲しみも考えるとその数字の重さを感じます。

 

ーー新型コロナウイルスで重症化してしまうと、死に際に会えないって本当ですか?

本当です。

「今夜が山だ」という日に、担当医師から連絡があり、テレビ電話で最後の家族との顔合わせをできるように手配してくれ、医師の個人携帯を使い、繋いでくれました。

スマートフォンの画面越しに顔を合わせた時、彼は意識はありましたが、会話するほど体力はありませんでした。なので、彼を病院に送り届けた日が、直接顔を合わせる最後となってしまいました。

 

ーー埋葬や葬式はできましたか?

葬式はできませんでした。幸いなことに病院側が、遺体の取り扱いについて意向を聞いてくれました。家族であらかじめ決めていた墓穴があったため、そこに遺体を埋葬してもらうことはできましたが、埋葬の場に家族が立ち会うことはできませんでした。

だからまだお墓参りもできていません。

死はいつだって悲しいものですが、最期に対面もできない、お葬式もあげてあげられない、そんな状況が辛さを増していると思います。

 

ーー日本人へ何かメッセージはありますか?

今は日本の状況はそこまで悪くないと、ニューヨークほどではないと感じているかもしれません。まさにそれは、1ヶ月前にニューヨークの人も同じことを考えていました。

先行しているイタリアの状況もどこかよそ事だと思っていました。

お願いです。この状況を真剣に捉えて、早く対処すれば最悪の自体は免れます。

でも、対応が遅くなれば、ニューヨークやイタリアのようになってしまうリスクがあります。

だから、新型コロナウイルスをなめないで、早く対処して、みんなで乗り越えましょう。

 

最後に

ニューヨークではロックダウンは5月15日までを予定されています。

その後は段階的に経済再開することを目指して、抗体検査などが進められています。

ロックダウンから約2ヶ月、まだまだ長引くでしょう。

体力的にも精神的にも金銭的にも厳しい日が続きますが、正しい情報を得ることを心がけ引き続きStay Homeを続けましょう。

インタビューに応えてくれたManeo Choudhury氏、ありがとうございました。

 

  • この記事を書いた人

ゆかこ

2018年に渡米。NY情報局長としてメディアやYouTubeを運用。Forbes Japanコラムニスト✒️ 800万DL突破したアプリ開発をキッカケに『ティーンマーケティングのご意見番』に。楽天FMラジオMC/テレビ出演/SXSW登壇。 2020年からイギリス・ロンドンへ拠点を移し、海外生活やニュースを発信。観光・出張アテンドや海外撮影コーディネートもしています。

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